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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2009年 01月 11日

弘前で展覧会を3つ

雑用に追われているうちに午後も過ぎた。
弘前市へ車を走らせる。天候が荒れて来た。降り方がまだ優しいが道のところどころが雪でぬかるんでて運転が慎重になる。車の列が長くつづく。


harappaにて「アオコン4 -穏やかな日々-」という二人展。ひとりは友人の木村顕彦さん。久しぶりに会場で会えた。
水彩による抽象絵画は風景画にもみえる。ひとつの画面に6〜8個のマンガのようなコマを作りその内部に視点の違う風景(のようにみえる抽象の色彩)が描かれている。「フレーミングの法則」?とでもいうのかな。
久しぶりに会った木村さんはなんだか以前よりも随分と大人になった感じ。(失礼、ごめん)
自分でもいろいろ実験しながら、他者の展覧会にも研究者のような視線で観て歩いている。いつも疑問を持ち続けながら積極的に何かを吸収しようとする姿勢は素晴らしいと思う。だんだんと吸収/消化ができなくなってきた自分からみると、そこがとても羨ましい。


田中屋画廊にて「村上善男 × 橡木 弘 二人展」。
美術家・村上善男と詩人・橡木 弘。この二名は同一人物である。彼(彼等)が逝って没後三年が過ぎた。
絵画と詩で構成された展示は「ひとり二役」のようだが、実は構成する別な人物たちによってこの展覧会は演出されてもいるのではないだろうか。作家の産み出す作品はその中に「謎」的な部分が多く含まれているほど、紐解く解釈の幅が大きく深いほど作品の生命力は強まる。その作品の生命力に惹かれて「陰の構成者」たちは突き動かされてもいる。
展覧会での「主従関係」はその生死に関係なくそこにある。

今回発見された展示された作品には和紙と釘打ちの図像と70年代の気象圖に繋がった風力計の画像がアッサンブラージュされている珍しい仕事。使われた色も寒色系の水色。風や水という形のないものを捉える仕組みは、感じているけど他人には見えないものをなんとか定着しようとする仕事と同じ。美術の技法は「みえないもの/みえにくいもの」を眼の前に表してくれる。風を数値化し視覚化する道具の魅惑にも繋がる。思えばそうしたものを作品のモチーフに多く取り入れていた作家。晩年、弘前で作品化した「風土」という大きなモチーフ。風土の中に漂流するものはまた意識の中を漂う。オブジェは意識/無意識という波の潮位の変化する世界に散乱する。美を見つけて回収する作業。その中に漂う気配を見つけ摑まえ出すことが詩的で美術的。こうした仕事に心血を注ぎ取組んだ作家の展覧会。
新年幕開け恒例化した田中屋画廊の村上善男展は詩人であった面も招集した展覧会。
1月27日まで。


ゆぱんきへ。「アナグラ」展の最終日。すっかり陽もくれて会場に到着した。
お喋りしてたら20時を過ぎたよ。
弘前で展覧会を3つ_c0156162_10502520.jpg

お店の外に置かれてあった鶴見さんの作品が裸で寒そう。
弘前方面の温泉への地図を書いてもらった。20時を過ぎてこの時間からは行けないかな。次回。ありがとう。

by aura-21 | 2009-01-11 01:40 | ART


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