2004年 03月 24日

Zeit展

快晴の青森市。
先週までの個展中の非日常から少しづつ日常に戻る。
作品展は明後日26日まで展示中。27日に撤収/搬出の予定。




26日は父の17回忌、明日午後にお寺からお逮夜のお勤めに来てもらう予定。妹も合せて帰ってくる。仏壇に供える花や果物を買いに出る。





国際芸術センター青森にて「Zeit」展を見る。
青森市在住のコンテンポラリーアートに取組む作家8名に今回は神奈川からの現代美術家2名が加わり今月30日まで展示。会期中にパフォーマンスやギャラリートーク、ワークショップも開催される。

2002年夏に同会場で行われたZeit展に参加していた市内のメンバーが出会った松永 康氏をゲスト・コーディネーターに神奈川で制作をしている作家(青森では初展示)との共演が実現したと聞く。青森側のZeitメンバー全員が他からの作家との珍しい美術的交流を本当に望んでいたのかどうかは別としても、結果的にはお互いの反響をいつものメンバーから今回初めて出会う作家との共鳴にまで高めれれば何か発見できることに違いない。

展示場の関係で作品の置かれる場所には苦労の痕もみえる。作品の物理的ボリュームや見せ方の問題は上手くいくことばかりが次へのステップへの鍵ではないにしろ、どうしてこういう配置にしたのだろうかと聞いてみたいところもある。作家が多すぎるようにも思えた。誰とはいえないが作家をもうすこし削ってもいいのではないか…とも感じたが、むしろ所狭しと並べることにも狙いや意味があったのか。

関原律子氏と作佐部 潮氏が感覚的にも物理的にも圧倒した作品だと感じが、両者の作品はまだ未完成状態だった。
関原氏は作品の狙いからいくとあの36本の蝋燭に火が灯された状態が完成形なのだろうと感じた。空想で燃えている状態を暗示するのが目的だったとしても、むしろ火の灯された状態こそ作りたかった作品だろう。私が観た時には蝋燭は消えていた。いや、あの作品の構造だと蝋燭の上に天上から吊るされた黒い布に引火することは歴然としている。最初から館の使用規約上 裸火が難しい会場では展示内容の軌道修正も必要だろうにそれをせずに最後まで押し切ってしまったのだろうか。作品そのものよりも見せたい気持ちと見せられる条件との調整を作家はどう捉えているのかが気になった。
作佐部氏の作品はまだ制作中であった。中空に岩と鉄のバン線の束が吊るされた状態で緊張と均衡の保たれた設置が狙いとみえる。生憎設営は順調にはいかないようで吊るためのワイヤーの位置や強度やテンションに手こずっているようだ。人手の少なさもあるのだろうか? 作佐部氏はこの作品シリーズで展示経験も多く見せ方も素材の扱いも心得ていると思う。期間中の安全な完成を願う。

他に感じたことではMAJIO氏と広瀬 優氏の作品に関連して。
MAJIO氏は青森や弘前を中心にライブ・ペインティングや店舗内装に絵を提供したり昨年の空間実験室での展示など若手の中でも活躍している。彼の後輩世代も彼を目標として絵を描いている者が多いと聞く。氏のWebでは多方面にファンがいて盛況である。
多くの絵描きにとって制作スピードの速さは逃げるイメージを必死で定着させようとする格闘であり 画材は自分の一番生身の部分を掴み曝け出す武器である。彼も絵描きとしてその武器をとり格闘していると思う。しかし描かれた作品には奇妙に素材感が抜け落ちている。描きたい気持ちだけ先攻してしまったようだ。格闘の痕跡は聖戦でありながら意外に濁っていて汚い。今回は暗幕で遮光した空間に画像投影する展示もあった。ここでは完全にテクスチャーは存在しない。むしろWebと共通した感性か。絵描きがそのテクスチャーをどう捉えるか。実物の絵とWeb上のそれとを等価に考えるかどうかはこれからの人に向かって持論を押し付ける気はない。が、描きなぐるスピード感から描きこむ時間へと見せ方のシフトダウンをさせる研究も時にはいいのではないか。それは実際に描くのに要した時間そのものとは違う。

広瀬氏の描かれたキャンバスを壁面に十字架状や堆積させた形に並べた作品ではキャンバスに描かれた内容と展示形態との関係が説得力をもってこちら側に伝わってこないのは何故だろうか…と感じた。あの十字架状に並べる形は一見して宗教性を帯びる。氏を知っている(と思っている?)私にはそれが非常に唐突であった。借り物? 彼にそういう一面があったのか?クリスチャン?…と訝る。単に納まりのいい十字架状に(絵の内容とは切り離して)飛びついてしまったかのような。あるいは十字形の並びは彼の意図とは別なものの指図のように感じた。茶色の絵のキャンバスはもっと正面性で観覧者に対峙させるべき内容を盛り込む仕事のように思う。
むしろ黒い線の重なりに隙間として神経質な細い白線が見える仕事の方に氏の独自性を感じた。
(また勝手な感想を書いて反感持たれるのかな〜)
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by aura-21 | 2004-03-24 22:22 | 展覧会


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