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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2007年 03月 10日

画家を主人公とする映画

明日返却予定のDVDで「愛の悪魔」~フランシス・ベーコンの歪んだ肖像~ を観る。
20世紀のイギリス絵画の巨匠フランシス・ベーコンをモチーフにした映像。
史実よりも実際の時系列も多分デフォルメしたりフィクションを織りまぜたか、斬新な映像。時々ベーコンの絵を彷佛とさせるイメージだろう鏡やステンレスの曲面鏡面に映りこんで歪んであらわれる登場人物の表情が瞬間に挿入される。

当時のイギリスの現代画家はなんでああも同性愛者ばかりなんだ? と思えそうなほどだが主演のデレク・ジャコビーは確かにベーコンに似ている。役者が実在の人物を演じる時の見出しての違和感と見終わっての同調。同性愛者の空気と画家としての狂気を演じている主演俳優の演技。実在の人物は写真や映像が残っていて知られている分(固定観念ももたれて)やりずらいものだろうに。
さて観るまで知らなかったがそのベーコンの愛人ジョージ・ダイアー役には最新007のボンド役になったダニエル・クレイク。まだこの映画では新人に近い役者か体当たり演技。
監督は ジョン・メイブリー。先週は同じこの監督の新作「ジャケット」を見たばかりだったことに後で気付いた。

実在の画家をモチーフに作られたものでは昨日も偶然に韓国の「酔画仙」を見たばかり。時代も地域も違うので西洋・東洋の違いをこれだけで云々出来ないが、社会との関りや芸術・技術への取組みやその生き方への共感がそれぞれの監督自身の考え方や人間性を主人公に託して語らせ行動させている。表現者としての監督そのものが主人公の姿を借りて現れているのだろうか。特典映像の中で語るその両方の映画監督の言葉。表現者が表現者を描くときの共感点。

by aura-21 | 2007-03-10 13:03


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