2001年 01月 27日
昨日図書館から借りてきた「駒井哲郎 若き日の手紙」(美術出版社刊)を読む。1950年と1951年の日記と書簡。なんていい文章なんだろう。この本は持っていたい…買おうと思う。 駒井哲郎は銅版画家。私も大学の版画室に入りたての頃に最初に先輩から薦められた銅版画に関する本がこの駒井哲郎著「銅版画のマチエール」だった。しばらくして東京都美術館での駒井哲郎版画展で実際の作品をみて晩年の展示作品に行くにしたがって胸に込み上げてくる詰まった何か…痛々しさのような、簡単な感動ではなく…に襲われて眼玉が滲んだ経験がある。情動的にそんな経験をしたのは後にも先にもこの時だけだ。日記や書簡という生なかたちの文章にであって、また心が揺さぶられている。同時にこの自分の書き込む日記のすました鼻持ちのならないふがいなさにも別な動揺を感じている。 比べても申し訳ないけど… 発見に近い。時間ばかりかけて進まない絵は当初から頭の中とか気持ちの奥にプランがあってそれに沿って描き始めた、とは言いがたい。目的もなく歩いている道でもそのうち「ハッ」と感動するところへ出くわすんじゃないか…くらいの気分で毎日キャンバスの前に居たように思う。(少し反省…) …でも…今日、片鱗だが何かに出くわすことができたような…嬉しい気分でいる。明日もそこから続きを描けるといいが…明日には消えてしまっていることの方は多い。
by aura-21
| 2001-01-27 23:26
| 版画
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