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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2001年 10月 09日

版画ムナカタ

晴れ。


昨夜またアメリカによるアフガニスタン タリバン拠点への攻撃という報道。戦争の報道は何処までが真実と呼べるのかは判らないが、「ある見解からの解釈」しかないだろう。都合の悪いことは隠すに決まっているし…


青森にいて版画に関わっていながら、棟方志功という人の文章というのをちゃんと読んだことがなかった。数年前に貰った「棟方志功全集」をひろげて彼の文章をあらためて読んでみると、わたしが抱いていた棟方のイメージはもっと拡がった。「感動家」で「情」の人とだけ思っていた(事実多くは感動と感謝の文章)が自分の制作姿勢について触れるものには作家の本道が垣間見れるように思える。版画とは言わず「板画」という言い方をするのは、板を利用した絵画表現であり、時にはフロッタージュでさえあるからではないか。同じ版から同じものを複数枚正確に刷り取り作ることにこだわってはいないと思われるその制作姿勢は、手彩色で華やかに色付けされる。それは絵筆の代わりに彫刻刀を使っているという絵画表現手段の板画である。技法は彼独自のもの(特筆する真似の出来ない技法)などはなく、むしろストレートに自らの資質と情熱的エネルギーでのみ取り組んでいるかのようで、それこそが真似の出来ない仕事となっている。彫り込んだ板をただ忠実に刷り取っただけの仕事ではない…ということはひしひしと伝わってくる。

by aura-21 | 2001-10-09 00:29 | 版画


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