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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2004年 09月 23日

美術館へ行こう

秋晴れ。日中は汗ばむ陽気。
祭日ながらかみさんは平常通りの仕事である。送る。夜は芝居の練習もあるそうだ。忙しいヤツだ。





朝のテレビで見たら今日の私の運勢は「美術館に行こう」…とあった。
ラッキーアイテムは美術館か?
早速?午前中に「棟方志功記念館」へ。ちょうど暇そうにしている母を誘ったらニコニコ顔でついてくる。
先日 一般会員になり1年間のフリーパスをもらった。同伴者1名までそのパスで一緒に入場出来るそうだ。そんなに広くはないがこの場所に何度も足を運べるのがなんだか自分だけの隠れ家を作ったみたいでいい感じ、嬉しい。

棟方が木板に向って版画を彫りだす姿を見ていて、同じ版画と呼ばれる仕事のなかでも銅版とはまた異なった姿勢というか手技の触手を感じた。そこに版種の違いだけではない「(版の)素材が違うことで全く違うもの」だという感覚がよぎる。木地に彫刻刀を当て素早く彫り進むことはなにか家具職人や挽物を作り探る指先の感覚と同じようなものを想像させる。それは木の持つ「温かさ」ではないのだろうか。銅版などの金属やリトグラフの石・亜鉛板にはない温かさが木版にはある。生きていた樹木から出来ている板ともともと冷たい鉱物の肌合いとの違い。受け入れる素材と拒否する素材。それぞれのやり方で版画は作られていくのだが、木には彫刻刀を握る手との呼吸が木の脈拍のようにまだ残留しているような気がする。そこを味方につけえるかそうじゃないかで仕事の善し悪しにつながるはずではないだろうか。

その後に市民図書館(アウガ)へ。二冊図書を借りてから過去の新聞等を読み調べる。

午後から仕事。板と違ってアルミは冷たい。思うようにならない事をむしろ私の絵の出来に味方させたいのである。和紙に墨描きしたものを(雁皮刷りの要領で)すき混む紙に使ってみる。裏彩色のように墨の線も和紙の裏側から滲むように透けて絵の効果に活きないか…と、実験でもある。

by aura-21 | 2004-09-23 23:16 | 版画


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