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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2012年 09月 01日

橋本尚恣 展

iwateコンテンポラリー 〈全国美術館会議 東日本大震災復興対策事業〉
橋本尚恣 展  日常 - 通過点・到達点 -

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橋本尚恣 展_c0156162_013025.jpg

「水銀球」 2012年  ドライポイント モノタイプ 9.3 × 5.8 cm

2012年 9月 1日(土)〜 11月 11日(日)
9:00 - 16:30  月曜休廊

萬鉄五郎記念美術館内「八丁土蔵ギャラリー」
〒028-0114 岩手県花巻市東和町土沢 5区 135
TEL. & FAX. 0198-42-4405

「日常」は点などではありません。
様々な記憶が時空と重層的に絡まり日常がうまれます。同じものはひとつとしてないでしょう。
この日常の中で私は抽象的な版画を制作しています。版画はそのマチエールをのぞき込む世界です。抽象的な形は観る者が持つ個人的な遠い記憶の景色に名前を与えます。私は版画の線や墨の滲みに自分史以外の原風景を素形(素としての形)として求め制作しています。
日常は新たなことへの出発点であることを無限に意識しています。

ドライポントによるモノタイプ版画を展示します。
抽象作品を観る時、我々は自身が経験してきた記憶を手がかりに理解しようと近づきます。
美術鑑賞は「非日常」と捉えられがちですが、日常からの視線こそがいま大事にされる時代です。
鑑賞者の前に並ぶ作品の背後には、特別ではないけれどもきっと唯一のことが、新たな発見への出発点としてあります。
鑑賞力という美術力が試されます。それは鑑賞者自身を鼓舞する声援でもあります。


私は青森市在住。学生時代に住んだ盛岡には多くの先輩や後輩やお世話になった方々がいます。
今回 岩手県人ではない自分がこの展覧会にお誘いいただいて、躊躇がまったくない訳ではありません。

復興対策とはどういうものか簡単には説明できないことですが、東北で隣接してあり同じ被災地域として青森(八戸地区)も岩手も宮城 そして福島も同一圏内であり、そのエリアでの互助はとても大切なことです。
美術の話としては近年、岩手でも(全国的にも等しく)個展等での美学生や作家の発表がたいそう減っていることを伺いました。作家の普段からの制作とその発表への声援として呼び水のような展覧会をしたいと伺いました。拙作がその力を持っているかどうかはわかりません。むしろ私の方が逆にエネルギーを頂くことになるのは確かなことです。
関係各位に深く深く感謝いたします。

制作者と鑑賞者の互助があって作品のアリバイがうまれるとすれば、美術を支えているかもしれない作家や美術系学生がもっと作って、もっと観て歩くことが 何かの復興に繋がることと信じています。
「復興支援」を冠せずとも、この地で行われているすべてのことは「復興」のためになされている。

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by aura-21 | 2012-09-01 09:00 | 個展/グループ展 履歴


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