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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2005年 05月 02日

出勤 告知

平日である。長期連休をとる人もいるが飛び石の通りに出勤する人たちもいるし連休を休まず出勤する人だっている。連休だからって休んでいられるほどに今の日本は緊張感ないわけではないのだろう、きっと。

かみさんは本日出勤。いつものように車で送る。



現代美術は現代という時代の中で美術を通して表現、発言、思考するものだろう。あたらしい表現手法や思考法やそのものの切口を見せてくれる。
またそれらは時代や地域の眼によって淘汰され深化していくかもしれない。

某県施設ではそれまで中央の有名作家や権威筋のもの地方ゆかりの物故作家展をよく見る機会が多かった。公共機関での展覧会主催や企画はどうしてもそうしたお墨付きな安心が官として動く際にも大きく作用していることは想像にかたくない。同時に昨今の現代美術系展覧会の活況が公的施設での企画で取り上げる作家選考の基準をどんどん若年齢化させ、それは地方へも及んでいるようだ。もちろんそこには企画する学芸員の研究者としての考えもあるし、研究者(しいてはオーディエンス)の研究対象の拡がりと世界規範での美術を取扱いたい思いと旧態依然とした場所から脱出したい思いとが読み取れる。

年齢で作品の良し悪しが決定するものではもちろんない。むしろ若いほど時代を読み自身の作品へと密接に社会を関らせていることを多く目にする。ゴッホもセザンヌもピカソも30代にいい仕事を残している。(特殊な例だが37歳で自殺したゴッホはその創作期間もほぼ10年間という短期間に集中している)
創作の現場に立ち会いたいのであればそうした若い作家にももっと注目すべきだろう。

同時に地方美術の文脈でそれまでちゃんと公的施設で取り上げる機会の少なかった年長作家の展覧会を急に取組だし駆け込みで催されているような空気も感じてしまう。確かに財政的問題もあるし調査研究に割ける時間の少なさもあったのだろうが、昨年からそうした展覧会が多い。
展覧会直前で出展する作家の訃報も続き(不謹慎だが)できれば存命中に早く回顧展をと思ってしまう作家もある。
県立美術館がもうすぐ出来上がり稼動することから波及した動きでもあるのだろう。

急ぐべきこと と ゆっくり進めてほしいことの2つがあって、どっちがどっちかも判っていないのだが、会場で作品が見えるように並べてほしい。
見えることとは物理的・光学的なことだけをさして言ってはいない。



リンクもさせて頂いている「版画のミクロコスモス」の中込洋子さん。
氏の個展を告知に追記しました。

by aura-21 | 2005-05-02 13:21 | 雑感


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