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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2008年 03月 08日

ジェンダー

しばらくぶりにバスで街まで。バスの時刻を無視して出たらバス到着は30分後らしい。バス停の何個かを歩く。路線バス沿いのこの道は普段車でも通らない。しばらくぶりの道はその周囲の風景を随分と変えていた。空き地が目立つ。売り家の看板もあちこちある。こんなにも街は衰退していたのか。驚くほどに抜け落ちて行く空間。
結局はバス停5区間を歩く。

延滞のDVDを市民図書館に返し、いつも寄る雑貨屋の奥にある喫茶店でチャイとパンプキンケーキを注文し、のんびりとノートに向かって描き込みをしたり、なぞ。しかし隣の客の吸うタバコの臭いにやられて満足ゆく程には時間を過ごせないのが残念。最近は女性の客のほうがどこでもぷかぷかタバコを吸う風景によ〜く出くわす。数を調べて言う訳ではないからあくまでも感覚的になんだけど、、タバコをくわえた女性喫煙者の男らしいことったら、、はぁ、、、まぁ。


アート井戸端へ。会場は旧 ぱるるプラザ、現「青森市民ホール」1階会議室の一室にて。
ACAC学芸員の近藤由紀さんによる「アートにおけるジェンダーについての一考」が演題。
氏の言葉の中からも、実のところ「ジェンダー」の捉え方(というよりも捉えている現代の状況)がアートだけにとどまらず女性解放(フェミニズム)までも抱え込んで問題を複雑化しているので、ニュアンスに終始しているようにも伺える。聞いている側としてもなかなか言葉を挟みにくいテーマ。概略をパワーポインター援用で図像的に辿る。
幾つか登場する作品には、現代作家である個々人が持つある種の「トラウマ」のようなものが見いだせる。創作活動にトラウマがまったく関わらないとは思わないが、作品化する過程でその「生っぽさ」が先鋭化したり薄まったり置き換えられたりするのが作品の現れ方ではないかと思っているので、こうした直球にはそのまま心理療法士の手に委ねたくなるかのような?症例的に受け取れる作品(それはまさに作家の狙いででもあるのだが)を見て、今回の「ジェンダー」が抱える要素の送り手と受け手の複雑な想いのやりとりの深淵を覗かせられる。

「アートにおけるジェンダー」はそこにジェンダーを発見しようとした瞬間に「勝負あった」みたいに性差による差別や被差別やそれをテーマとした(主にその当事者たちである)作家による意見としての表現が有無を言わさず加速する。或はそうであるかのように傾れ込む、、、という印象が個人的には強い。作品にジェンダーを嗅ぎ分ける前にジェンダーでもなんでもそのテーマのフィクション・ノンフィクションに私は眼が行く。語られているのはジェンダーでも何ででも、表現としてそれがフィクション・ノンフィクションをどのように噛み含んでいるかのような、テーマに無条件で巻き込まれてしまわれないで、どこか引いて立ち、全体を見渡している視点がそこにあるかどうか、視座の存在が、表現としては最初に気になるのであるが、、。(ジェンダーの話から逸れたけども)

ジェンダーと絡むことなのか、確かの女性の創る表現には私もすこし惹かれるものがある。私はジェンダーという語に頼らないで(陥らないで)女性の表現を見ていたいのだが、、ジェンダー論から(卑怯にも)逃避してこの日誌を書いている。

流れの飲み会はインドカレー アクバルの上の「蔵」へ。6名。
病み上がりでしばらくぶりの解禁な私は日本酒を飲み過ぎて途中から声も出ません。ドロ〜ンとしてました。

自分はジェンダーなんて考えた事もないのだが、拙作を「女性っぽい表現」とかいう言われ方をされた瞬間からなんともあらがえない・抗弁のしようのない状態に陥る。拒否させない言われ方に翻弄させられてしまう理不尽さを思う。俺の作品は本当にそうなのか? いささか酒の肴にされただけの瞬間的言の葉に目くじら立ててもしょうがないけど。

しかし、、、「乙女」って言われた瞬間から呪縛は始まるのである。
現代は性別に関係なく「乙女チック」なことの方が「男らしさ」よりも先に存在の座を確定できる社会状況なのではないだろうか。猫も杓子も「乙女」でありさえすればいい、、。もうこの「乙女」と言った瞬間に誰も彼もその眼の中は「キラキラ」なラメが振りまかれているわけである。それが禿げた中年のおっさんだろうが美青年であろうがムキムキ筋肉質だろうがひ弱な文学青年であろうが、が、が、、、である。元々の性別は関係なくなる。男義もなんだか学ラン着た女子部の姿形が一番ふさわしく思える。ってなんだか「変」な感じがしてくる。どういうわけだろう?

ジェンダー交差して何回転かしてしまうと、どろどろと性差はあまり意味が無くなるんだろうか。そんな、酒も廻る、ジェンダーも廻る、、、井戸端脇の夜。

by aura-21 | 2008-03-08 23:59 | 隠喩


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