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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2001年 11月 30日

展覧会あちこち

昨夜からの雨…
20cm以上も積もっていた雪はすっかり消えた。でも、本格的に雪の降出すのはもうすぐ目前…午後ミゾレ雪混じりの雨に変る。

浅虫の海扇閣、横山哲則さんの個展、今日最終日…と伺い急いで出かけました。が、午前中で終了してました。拝見出来ず残念。
明日からの「山頭火に遊ぶ -ワイルドライフ・アートと書の出会い-」の展示中。
野鳥の絵の部分を担当されていた方が木部一樹さんという青森高校出身で東京在住のイラストレーター。絵は時々見かけたことのある作家の人でした。我家の「あおもり信用金庫でもらったカレンダー」にも木部さんの描いた鳥の絵がありました。非常に人当たりの優しい気取りのない人…という印象の方でした。



ミゾレの降る中を車は青森市民美術展示館へ。
11月29日〜12月2日まで、アート集団「Zeit」9人の展覧会。
構成メンバーは昨年開催された「BEUYS」を解体、さらに9人に絞り込んで新たに「Zeit」を旗揚。(Zeitはドイツ語で「時間」や「時代」を表わす)今回の展覧会は各メンバーの仕事内容も絞り込まれ高まった印象がある。彼らの中には個展経験者も多いが最近はその方で作品を見る機会は少ない。しばらくはこういう形で空間をコラボレートするのだろうか。2つのフロアーを使った展示、2Fフロアーの作品群は一種の統一感を感じさせて纏まっている印象を持った。「コラボレート」…と書いたのは空間の展示上どうしても切り離して各作品を見れなかったことからだ。インスタレーションだとどうしてもこの人数にこの空間量では狭すぎる。結果、作品同志が交わって見えてしまう。そしてそれが差程の違和感のないコトが各作品にとって良かったのか悪かったのか…。
(全員ではないが)各自の仕事で質的に高まったものを手応えとして得たのではないだろうか。個展で1人づつ見てみたいものの、そうすると消えそうな気配のあったことも確かに気になる点である。

青森市内でこのような現代美術の展覧会を眼にする機会は少ない。たぶんほとんどない。明日からオープンする「国際芸術センター青森」の開館によって今後多くの美術が全国・全世界からやってきて青森で表出するだろう。地元の美術作家もそこでなにかインスパイアーしたりされたりすることだろう。



現代美術のコンテクスト(文脈)というのがある。一元化し難い歴史で日本の現代美術の流れを精査しようとしても掬いそびれることばかりのため、どうやっても片寄ったものだろう。
「Zeit」の展示を見ていて思うのは、私個人の中にある歪な現代美術の文脈で見ることの些細な安堵感と違和感だ。「日本の」とは言っても「東京の」か「美術書で読んだ」だけの頭の中で勝手に作られた文脈程度だろう。Zeit…「時代」と名付けたこの地方の展覧会には日本の現代美術に反発する過激さはない。むしろそこに加担したい思いではないだろうか。都市という中心の不確かになったことで主張できる地方性や個性、つまりは時間というよりも地域性や場の発言。質的高さを単にソフィスティケートと言ってしまえば「都会的」というレッテルに過ぎなくなる悲しさも含んではいないだろうか。
地域特性はますます希薄になる…諦念ではなく。

by aura-21 | 2001-11-30 01:49 | ART


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