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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2004年 02月 01日

版画・版画

青森は快晴。

青森県立郷土館にて「全国児童版画コンクール 青森展」を見る。3日間だけの会期で本日が最終日。出品している子供と家族が多く見に来ている。青森県内の小学校生徒の版画作品で入賞と佳作作品が並ぶ。
教育現場での版画指導の実績だろうか。が、中学校進学で美術の授業短縮化や指導面での難しさから、版画のその先に興味はあっても指導できない実情は聞こえてくる。そんな中で楽しく作っている子供達の版画。でも版画をもろに画鋲で留めているのは学内掲示板的認識…それじゃ美術じゃないぞ!

3年前に青森市内であった「魂の作家たち・アート展/エーブル・アートへの挑戦」という展覧会についての感想をこの日誌に書いた。障害というものの有無や重度の差に関わらず「作品」は「作品内容」で判断されるべきだと。
小学生の作品をどう見るか…には教育という学校の現場が大きく絡んでくるような気がする。小学校の現場での「創造」とはどう判断されるものなのだろう。小学生の表現(この場合 版画などの絵)に創造性という言葉を持ち出すと、なにか高いところから判定したり或いは手放しに「子供の感性は大人には遠く及ばないものがあるから素晴らしい」などの紋切り型な評価をしている大人の姿をつい想像する。会場にずらりと並べられた同じ手法で作られた版画の量と質を前にした時、学校現場で関わる先生がたの指導手腕や思惑がちらちら見えたりする。
子供の絵には独創性は感じても個々の子供が継続して持ち続ける創造性ではないだろう。絵を描くことが好きで自分で時間を作って自由に描いていく子はいるだろう。そんな子供が成長して自ら語りだしたときから創造云々の意味が生まれるのではないか…。

帰りに棟方志功記念館に寄って作品を鑑賞。丸い構図で描いた絵(倭画)を何点も屏風に仕立てた作品、この丸さは扇面だろうか。同じ画面での工夫が面白い。横長な俵型の画面もある。すこし「創造」を満喫してから帰宅。

青森における版画の棟方は佳くも悪くも巨人である。巨人の為にその後が育ちにくい場合とそれが大看板となって拍車がかけられる場合とがある。何れも棟方本人の意志ではなく周囲の祀り上げる側に問題がある。一度祀り上げたんなら最後まで責任もって突っ走って欲しいものだ。



昨日につづき、レンタルショップで旧作1本95円に飛びついてアニメの「EVANGELION」(4巻も借りる)の1を見る…暗い。

by aura-21 | 2004-02-01 01:05 | 版画


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