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AURA版画工房 日誌部 「むげたほげ」

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2008年 06月 15日

神社 珈琲 弘前

すこし肌寒いが晴れている。

いつも額装してもらう店の近くにある「神明神社」の縁日。母と伯母が午前中のうちにお参りしたいという。珈琲を買うついでもあったので同乗させ外出。神社前はまだ縁日の店もでていないが、社のほうは参拝者のために準備万端のようだ。我家は信心に厚い家族である。

カフェ・ド・ジターヌへ。今日は2人も誘ってここでの珈琲を飲む。浅煎のキューバ・クリスタルMt。
普段買って帰る豆は深煎のものにしている。それは家で挽いた時に浅煎だと粉が静電気で飛び回り掃除が大変だから。深煎のものはしっとりとして粉が飛び回らなくていい。だから店で飲む時には浅煎のものを選ぶようにしている。
「やはりプロの煎れる珈琲は違う」と彼女等。、、、そうでしょ?
帰りに2種類の豆を100gづつ購入。



ひとり弘前市へ。直射日光が車内温度を上げる。
道の先に見える岩木山の山頂付近が雲に覆われている。
昼食に岩木食堂で中華そば。
その近く、旧岩木町(現 弘前市)にある「鳴海要記念陶房館ギャラリー」で開催中の「陶の二人展 - 鶴見弥生 坂本羊子」をみに行く。鶴見さんよりご案内状をいただいていたがこの会場も初めてで来てみたかった場所。入口に鶴見さんの人面四つ足の陶が2匹置かれている。子犬程の大きさ。小さな子供だったら座っても大丈夫だろう。
館内のギャラリーホールで2人展。
鶴見さんの仕事にはどの陶にも顔がある。陶で作った小さな人、、そのものでもある。今回は足だけついた器も。緑釉。なんともおかしい。その表情もキモカワというか、見慣れてだんだん愛着を感じるようになってきた。一緒に展示している坂本さんは絵画から陶芸に移行された作家さんだそうだ。そういわれると幻想的絵画の中に登場するような洋館・廃城や空想の城壁・塔、、のようにも見える。塔の陶…?。荒い土の表情も造形とマッチしているように見える。
鶴見さんの作品が欲しかったがその都度非売でタイミングが悪かった。今回は「販売していますよ」と言われ早速物色。売約済みのシールが貼ってあるものも多い。

神社 珈琲 弘前_c0156162_2294550.jpg鶴見弥生さんの器:顔のふたつ付いた小皿(だろうか?)とメタボな腹から下の二本足で立つ小鉢(だろうか?)をゲット。何を入れようかな、、、。



常設展示の鳴海要作品を見る。(入場料200円)
ホールで出してくれる珈琲は鳴海要の珈琲カップで振る舞われているので見学前に頂いた。
りんご釉が特徴的な仕事とか。Webで作品を見ることも出来ます。薄いピンク色の肌に器体は肉厚でどっしりしている。実際に使われていた窯場も見学させてもらえる。ほんの三年前にお亡くなりになってまだ哀しみも癒えてはいないのか。それ以来窯に火は入らないが、いつの日かまた何かの記念か恒例事業としてこの窯に火を入れる時もあるかもしれません、、と解説してくれた女性スタッフが語る。作陶場は最近陶芸教室で使いはじめたそうだ。展示だけではなく使われてこそ生きてくるものもあるだろう。伝承ということ。

田中屋画廊へ。「熊谷吾良 木版画展」
多色刷り木版画。熊谷さん在廊。同じ年配のお客さんと4人で版画とは関係ない話に湧いている。どうも相撲の話のようだ。熊谷さんは70代半ば。昭和のおじさんというと失礼だが、その木版画にも昭和の匂いが漂う。そうした年配の方々の相撲談義は私の子供時代にあったような郷愁を感じる空気が画廊に響く。そのお客が帰って2人になりお話を伺う。
これはどこでもあることだろうけど、同世代的だけで集まってばかりいて世代の離れた人との交流を避けているような風潮があるね、、と。若い人が年長者の展示に足を運ばないし、同じように、年長者も若い人の場所に近寄らない。お互いが没交渉。残念だが仕方がないのか。解っているがなおせない。
世代とか年齢ではないと思うのだが。
展示されている作品は木版画(数点ドライポイントやエッチングも)。伝承したい技もあるのだがこうした没交渉の時代ではそれもなかなか伝わらないし伝えられない、と話す。さっきみてきた陶芸もそうだが「伝承」の重要性とおなじくらいに「新しいもの」との共存という両輪がバランス。技術とか技の要素のあるマテリアルでは浮上することだろう。1963〜1965年に日本で最初の版画工房「日本美術家連盟版画工房」で木版講師を勤め、埼玉大学で30年近く木版画を教えてきた熊谷さんの伝承してほしい技や心は行き場を求めているのかもしれない。

弘前城近くにあるご自宅まで私の車でお送りする。
「また遊びに来なさいね」、熊谷さんの人なつこそうな笑顔と別れて帰路につく。


今日は仕事にならないな。
遠出して疲れました。

by aura-21 | 2008-06-15 21:27 | 展覧会


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